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never cry

本とかゲームの感想だったり雑記だったり

エバーグリーン

エバーグリーン (双葉文庫)

エバーグリーン (双葉文庫)


エバーグリーン

エバーグリーン


文庫化したので再読。表紙は文庫版よりも単行本のときのほうが好きです。谷川史子の絵は中学生のときのアヤコとシンを描いていて合っているとは思うのだけれど、アヤコとシンがキャラクター化してしまう気がして好きじゃない。キャラクターが前面に出されるラノベと違って、アヤコもシンも独立したキャラクターじゃなくて、読んでいる人がこの物語の中に自分を投影するための登場人物として出てきていると思うのです。というわけで、読んだのは文庫版ですが、単行本の表紙も貼りました。
少女漫画を描くことが趣味で地味な女の子のアヤコとミュージシャン志望のシンが、中学校の卒業式のあと、10年後また同じ場所会うことを約束し、その10年後にあたる日の直前、それぞれの生活を送っている話。
中学生のときの彼らは自分の過去を見るようで非常に痛いです。そして10年後のおとなになった2人の生活も。かたや東京に出て少女漫画家になって恋愛などしてこなかったアヤコと、流れのままに夢をあきらめて田舎で生活しているシンは、両方とも自分を見ているようでちょっとだけ苦しい。痛さや苦しさを感じるかもしれないけれど、でもやっぱり読んでる人はアヤコともシンとも違うはずなのでそれで安心を感じれるのかもしれないです。単行本で読んだときより痛みを感じなかったのは自分が変わったからなのかなんなのか。
物語自体も普通に楽しめるけれど、この本は物語を自分をどれだけ投影できるかが面白さにつながる本なんだろうなと思います。