never cry

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白蝶花

白蝶花 (新潮文庫)

白蝶花 (新潮文庫)


ずいぶん前に文庫が出たけど地元の本屋でなかなか見つけられなくて、やっと見つけて読んだ。
大正から戦前戦後の昭和に生きた女性たちの連作短編集。最初の2編を読んだときは普通の短編集だと思ってたんだけど、3編目の「乙女椿」でやっとこの本が連作短編集なんだと気づいた。最初の2編で、これからこの人はどうなってしまうんだろうと思わせておいて終わったのに、その後のその人が出てくるとは。最初の2編は読んでいてすごくすごく苦しくて、『花宵道中』を読んだ時にも思った、こんな時代に生まれなくてよかった、ということを思ってしまったんだけど、「乙女椿」ではその人達にも少し救いがあった気がする。
どうでもいいけど地元の酒田が出てきたのでびっくりした。わりと方言も忠実だった。
最後に収録されている「雪割草」はとても素敵でした。解説の三浦しをんも書いてるけど、あのセリフがとても良い。

「僕が生きてゆかせるよ。そしてあなたに全てを与えてあげる」
p353

宮木あや子は文庫で追いかけようかな。花宵道中といいこれといいとても面白かった。