never cry

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ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

 

 随分と長い間積んでた気がするけどやっと読んだ。ラノベを続けて読んだ後で一般文芸作品を読むと、けばけばしい色のアニメをずっと見ていたのに突然水彩の風景画とか動物画を見ているような気分になります。キャラクター小説なんて言葉もありましたけどこういうことなんだなと勝手に思っていました。

アオヤマ君という変わっているけど利口な子が主人公のこの話。日常生活にペンギンが出てきたり不思議な〈海〉が出てきたり、お姉さんがペンギンを作ったり、少し不思議な話です。日本SF大賞受賞作というから身構えたけど、この本についてはSF=少し不思議でした。

森見登美彦作品は京都の話とばかり思っていたけれど、この話は京都ではなくどこかでした。登場人物にも名前が出てこず、ぼくはアオヤマ君で、お姉さんはお姉さんだし、クラスメイトもウチダ君やハマモトさんといったカタカナ苗字で、みんなどこかにいるだれかなんでしょう。

少し不思議ながらも、小学生らしく彼らが不思議に思っていることを研究したり探検したりしている様子を読んでいると微笑ましく思えます。

最後はとてもせつなかった。どう言葉にしてもうまい感想にならないんだけど、文庫の帯に書いてある、萩尾望都さんの解説の一文の、「最後のページを読んだとき、アオヤマくんとこの本を抱きしめたくなる。」が、私にもすとんと当てはまりました。