読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

never cry

本とかゲームの感想だったり雑記だったり

ビューティフルマンデー

 読んでから結構時間が経ってしまったのだけれど先日この作品の内容について色々と話す機会があったので感想を書いておきます。正直感想書こうとすると根本的なネタバレを書いてしまいそうになるので感想を書きにくい話ではあると思う。

土日休日の殺し屋黒崎と、頭がいいけれど万引きを繰り返す少年正哉、太めの男性専門の結婚詐欺師の翔子、名前の無い少女泥棒、名探偵と新入り、といった人々の運命が交錯して起こる物語です。出てくる登場人物の中だと少女泥棒と少年が好きだな。

1回目読んだときはどういう方向に転がっていくかわからず、でもぐぐっと引き込まれて読んでいました。あれ?と思い始めたのは歌の話題になったとき。ちゃんと気づいたのは探偵と助手の名前のところ。すっかり騙されていました。でもよくよく気づくと最初から探偵と助手の章タイトルにそのことが書いてあったんだね……。

そんなわけで1回目はすっかり騙されて読んで、読み終わったあとに2回目もすぐ読まなきゃ!と思わせる作品でした。だから読み終えてすぐまた最初から最後まで再読して、そうすると今度は初読で騙されて間違えたままになっていた脳内パズルのピースがきっちり正しくはめ直されて、2回目を読んでいる時でも一度読んでいる作品なのに読むことが楽しいという爽快感がありました。最近ラノベの読書量が増えて、でも再読するっていうことがなかなかないように思っていたので、この本は(言い方が悪いけど)読み捨てをさせない物語だと思いました。2回読んでもまた再読したいと思えます。

そしてすごく前向きな物語なんですよ。殺し屋だとか、万引き犯だとか、結婚詐欺師だとか、一見後ろ暗いことをしている人たちがたくさん出てくる話で、悲しいことも起こるけれど、根本はすごく前向きなテーマがあります。なんとなく自分が落ち込み気味の時に読んだのだけれど、私も未来をあきらめないと思ったよ。

結局運命は交錯しても交錯するだけでそれぞれに影響なんてないのかと思ったけれど、最後のあの黒崎のセリフを読むと、そんなことはなくて、やっぱり前向きだなと思うし、ニヤリとさせられました。

新人作家さんのデビュー作ですが、とても物語として、本としての完成度が高いと思いました。次回作も期待したいと思います。