灰と幻想のグリムガル2

灰と幻想のグリムガル level.2 大切じゃないものなんか、ない。 (オーバーラップ文庫)
- 作者: 十文字青,白井鋭利
- 出版社/メーカー: オーバーラップ
- 発売日: 2013/11/22
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
前の前の記事に感想書いておさらいした上で読みました。
マナトの死を乗り越え、これからどうすればいいか悩むハルヒロと仲間たち。先達者であるメリイから話を聞いた結果、メリイの以前の仲間がコボルドに殺されたサイリン鉱山に挑む事になる……。という2巻。
冒頭ではレンジの破天荒さが描かれてました。圧倒的すぎた。なんなんだ。
ゴブリンを襲うことをやめて向かったサイリン鉱山ではなんだかんだありながらもパーティの連携も深まって上手くコボルドを倒せるようになり、順調に下層へ進んでいくハルヒロたちですが、ハルヒロがパーティのリーダーについてやランタを目障りに思って悩む様子がものすごくよく描かれていました。特にランタは誰が読んでもうざいキャラとしか思えなくて、ハルヒロがランタなんていないほうがいいのではと思いつめるのもよく分かる。文章がまんまハルヒロの思考なので、まあラノベ的すぎるとはいえ感情移入しやすいというところもある。ハルヒロとランタの夜中の対話のシーンも挿絵との相乗効果でひやひやしました。
ところでこの巻挿絵がすごく良い! 場面に合った臨場感のある挿絵が多かったと思います。
しかしコボルドの群れに襲われ、ハルヒロ達一行はランタと離れ離れになり、ランタの必要性や仲間だという意識が高まって、また、ランタはランタで悩みつつも一人(というか+ゾディアックん)でなんとか上手くやって無事合流でき、さらにパーティの結束が高まり、その状態でその後の展開があるわけで、息を継がせぬ面白さだったなぁと思います。特にランタの活躍のシーンは、ずっとハルヒロ視点だったのがランタ視点に変わって、ランタのうざいけど前向きな様子が悲観的にならなくてよかったです。
タイトルに出てくる「灰」ってそういうことだったんだね。このシリーズはタイトルもサブタイトルもいいですね。特に2巻はあらすじの1行目も合わせて内容をよく表していて良いと思います。
最初から最後まで面白かったなぁ。1巻はなんというか暗い話だなと思ったのだけど、2巻読んだら先に希望が持てて、前よりも続きが楽しみになりました。